『戒名(かいみょう)』って何?


質問:『戒名(かいみょう)』って何?



死後の故人の別名と考えておられる方が大半ですが、
本来、「戒名(かいみょう)」というのは生きている時に受けます。
すなわち、「私は仏教者として、戒を保って日々の生活を営みます」という
意思表示で、受戒した人に与えられる名前です。

「入信の誓い」や「生まれ変わりの名前」といっていいかもしれません。
あるいは「古い自分を脱皮して新しく生まれ変わる」という捉え方でもいいでしょう。
歌舞伎や落語などの世界で名跡を継ぐというのがありますが、
それとある意味では似ています。

より成長、充実した自己実現のための手掛かりと考えていいかもしれませんね。


戒名は通常、2文字です。たとえば、
「宗易」「丹海」「湛水」「聖林」「恵玉」「天心」「了然」「慈光」…など、
陽字といって通常、人が好む、明るいあたたかい文字を使います。
各本山などで行われる「授戒会」ないし「受戒会」で
ご本人に安名されるのはここまでです。


しかしお葬式などでは、たとえば「宗易利休居士」「丹海徹栄信士」
「湛水照光禅定門」「聖林妙園大姉」「恵玉瑞相禅姉」
「天心荏相信女」「了然信鮮禅定尼」…などのように、
さらに2字を加えてお位牌に刻まれます。

 【多福院 住職】 シマザキおしょう